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「業務に本当に合う仕組みを」 現場主導で育てた建設業向け業務システムKOCOMO

左から建設本部 S.O様、営業本部 M.H様
近藤建設株式会社様では、工事情報や原価情報、支払処理などが各部門で別々に管理されており、情報の重複や確認作業の手間が課題となっていました。さらに、紙による提出や承認作業が多く、現場から本社への移動や書類整理に時間がかかっていたことも業務効率を下げる要因となっていました。こうした背景から、共通基盤となるシステムの必要性が浮上し、自社にフィットした仕組みを整えるべく、オーダーメイドのシステム構築を採用するに至りました。
このシステムは「KOCOMO(Kondo Core Management Office)」と名付けられ、近藤建設株式会社様の業務の“中核”を担うことをめざし、現場と本社をつなぐ共通基盤としてゼロから設計されたオーダーメイドシステムです。
「KOCOMO」は、原価管理、支払、請求に至るまでの建設業務を一元化。施工部門と管理部門がリアルタイムで情報を共有できる環境を整え、紙に依存した従来のやり方を大きく変えるプロジェクトとなりました。
本取り組みの中心となった、建設本部と営業本部それぞれの担当者お二人に、いかにして業務の課題を見直し、システムを「自社に合った形」で育ててきたのか、開発の背景から導入後の実感、そして今後の展望について、お話を伺いました。
クライアント情報
近藤建設株式会社
建設本部 建築部 次長 兼 建築ソリューション課 課長 S.O様
営業本部 積算部 積算課 係長 M.H様
課題
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各部門がそれぞれ情報を管理していたため、入力や資料作成が重複し、業務全体に無駄や非効率が生じていた。
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提出・承認作業は紙ベースで行われており、本社への移動を伴うケースも多く、確認や手続きに時間と手間がかかっていた。
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従来使用していた管理アプリケーションは特定の端末でのみ動作していたため、機器の故障が発生すると業務が停止するリスクを抱えていた。
効果
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工事情報や原価・支払データを一元管理できるようになり、入力の重複がなくなって業務の流れがスムーズに。
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書類の提出・承認がオンラインで完結できるようになり、現場や出張先からの対応が可能に。業務のスピードが大きく向上した。
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クラウド上に構築された「KOCOMO」の導入により、サーバ保守が不要となり、端末依存のリスクも解消。継続的かつ安定した運用体制を実現。
目次
お客様インタビュー
背景:非効率な現場を変えるために─全社で使える仕組みを求めて

建設本部 建築部 次長 兼 建築ソリューション課 課長 S.O様
「KOCOMO」導入前は、工事情報を各部署が個別に管理していたため、入力や資料作成の重複により、業務全体に無駄が生じていました。原価や支払いに関する処理も一部の担当者に依存しており、属人化による業務リスクが生じていました。
また、本社と現場のやり取りは紙が中心で、提出や承認に時間がかかっていました。フォーマットが人によって異なることも多く、内容の整理に手間がかかり、確認作業の負担が大きな問題となっていました。
さらに、工事費台帳や原価管理には、特定のパソコンにインストールして使うアプリを利用していましたが、社内に一台しかなく、使用環境も古くなっており、万が一そのパソコンが使えなくなった場合、業務が完全に止まってしまうリスクを抱えていました。
このような課題を解決するため、市販のパッケージソフトの導入も検討しました。
しかし、予算・原価・支払といった業務を一貫して連携できる製品は少なく、導入には自社の業務をパッケージの仕様に合わせる必要がありました。社内で検討を重ねた結果、全社的に納得できる選択肢が見つからず、自社の業務に最適化された仕組みをオーダーメイドで構築する方針に決定しました。
以前から見積業務で「Tetra21」を利用しており、そのご縁で今回のシステムについてもJOPSさんに相談しました。オーダーメイドで進めるうえでは、細かな調整ややり取りが発生するため、拠点が近く、やり取りしやすいJOPSさんに開発をお願いすることにしました。
構築:現状を整理し、将来も見据えた業務システムを構築

営業本部 積算部 積算課 係長 M.H様
社内では、各部署から選出したメンバーを中心に「ITシステム委員会」を設置し、「KOCOMO」の開発に向けた取り組みをスタートしました。私たちはシステムのプロではないので、まずはJOPSさんに現状をしっかり知ってもらい、どこに不便を感じているのかを率直に伝えるところから始めました。
JOPSさんとは定期的に打ち合わせを重ねながら、まずは現状の業務フローを整理し、紙で運用していた業務を中心に、どこをどう改善・システム化するかを一つひとつ検討していきました。
また、建設業ならではの多くの協力会社とのやり取りも見据え、発注から請求まで一貫して対応できる仕組みを整備。さらに、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法改正に加え、社内ルールの変更にも柔軟に対応できるよう、拡張性にも配慮した設計としました。
導入:着実に浸透し、現場で実感される効果へ

建設本部 建築部 次長 兼 建築ソリューション課 課長 S.O様
「KOCOMO」の導入当初は、社内外ともに新しい仕組みに戸惑う声もありました。特に、協力会社の方々にもシステムを利用していただく必要があったため、初めの1ヶ月ほどは操作に関する問い合わせが頻繁に寄せられました。ただ、社内では各部門から選出したメンバーによる「ITシステム委員会」を立ち上げていたこともあり、現場との橋渡しができたことで、導入は比較的スムーズに進んだと感じています。
導入から1年が経過した現在、多くの方が操作や運用に慣れ、「KOCOMO」が日常業務に定着しています。
最も大きな効果は、クラウド化によって「どこからでも進行状況を確認できる」ようになったことです。出張先や現場からも承認状況や書類の進捗を把握でき、業務全体のスピードが向上しました。
また、金額の整合性などがシステム上で自動チェックされることで、計算ミスや確認作業の負担が軽減され、現場での安心感にもつながっています。従来は紙によるやり取りだったため、誤りがあると差し替えや郵送に時間がかかっていましたが、現在ではその場で修正・再対応が可能となり、やり取りのスピードも大きく向上しました。協力会社の方々からも「紙よりも便利になった」といった声が届いています。
運用面では、「KOCOMO」はAWS上に構築されているため、社内でサーバを保有する必要がありません。専任の情報システム部門も設けておらず、日々のサポートはそれぞれの業務に関連する部署が担っています。社内で対応が難しい場合には、JOPSさんに直接サポートを依頼する体制としています。
今後の展望:さらなる業務改善とデータ活用に向けて

左から建設本部 S.O様、営業本部 M.H様
「KOCOMO」の導入から1年が経ち、工事ごとの金額や進行状況といった業務データが蓄積されてきました。今後は、これらの情報を営業資料や社内の分析業務に活用することで、システムの価値をさらに高めていきたいと考えています。
システムについても、業務の変化や現場からの新たな声に応じて、必要な機能や使い方を柔軟に見直していきたいと考えています。オーダーメイドで構築したからこそ、「使いながら育てていく」姿勢を大切にし、より現場に寄り添った仕組みへと進化させていきたいと思っています。
建設業界には、いまも紙での業務運用が主流の企業が多いと感じています。私たちもかつてはそうでしたが、「KOCOMO」の導入をきっかけに、業務のペーパーレス化や効率化を実現できました。自社の業務にフィットした仕組みを構築できたことは、現場にとっても大きな意味があったと実感しています。
今後も「KOCOMO」とともに、現場に根ざした業務改善を積み重ねていきたいと考えています。
JOPSスタッフ一同より
「KOCOMO」の導入・運用にあたって、現場で実際に業務を担う皆さまが中心となって「ITシステム委員会」を立ち上げ、自ら改善のサイクルをまわしてこられた姿勢に、私たちも大きな刺激と学びをいただいています。
この取り組みは、単なるシステム導入にとどまらず、業務の在り方そのものを見直し、現場起点で変革を進めていく「建設業のDX」としても、とても意義深いものだと感じています。
今後も「KOCOMO」を使いながら育てていくことで、より一層、現場に根ざしたシステムとして進化させていけるよう、私たちも伴走するパートナーとして引き続き全力で支援してまいります。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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