【社長ブログ】「つかえんちゃ」と言われ、絶句した営業担当
JOPS社長ブログ
cooperated by several associates
第1話 コミュニケーション ー 学生時代とは違う! (3回連載)
第3回 「つかえんちゃ」と言われ、絶句した営業担当
同じ言葉でも違う解釈に変わる場合があるということを取り上げましたが、例の最後に、今日入社された皆さんは皆が同じ出身地というわけではなく、適度に分散しているようなので、ある方言にスポットを当てましょう。
東京から、ある製造会社の営業担当者が富山の会社を訪問して「ところで、先月納入した当社の製品は問題ございませんでしょうか?」と尋ねたそうです。そうしたところ、富山の顧客は「あぁ、あの製品?なーんつかえんちゃ」と応えたそうです。東京の営業担当者は頭の中が真っ白になって絶句し、うなだれて帰って行った、という話です。富山出身以外の人、わかりますか?(東京の出身者がわからない、と返答。)これ、実は富山弁なのです。「つかえん」というのは。ここでは「使えない」という意味ではなく「支障が無い」という意味だったのです。相手によっては標準語を使わないと、思わぬ誤解を招くことがあるということですね。
(入社式の直後の話ですが、富山県出身の落語家の志の輔さんが富山の観光ポスターに登場され、「つかえんちゃ」を「構わない」(OK)の意味であることを紹介しているローカルニュースが新聞やテレビに出ていました。)
最後の話はちょっと笑えない笑い話でしたが、これら4つの例にみるように、同じ言葉であっても、意味や解釈が時とともに変わっていくことがありますし、同じ時代であっても、使う人、地方によって違うことがあるということです。こういうことを「言語のダイナミズム」と表現する場合もありますね。かなり最近の話ですが、SNSなどで使う絵文字についても、同じ絵文字が世代やシチュエーションの違いによって意味が違ってくることもあるそうなので、気を付ける必要があるようです。
こうした例をもとに考えると、結局の所、言葉はコミュニケーションの重要な要素だが、「解釈」が双方で共有できていないと正しく伝わらないということが言えると思います。そのために具体的にどうするか、ということになると難しいのですが、まずは「正しい国語」を、社会人になってからも学び続けることが第1歩だと思います。
ちょっと長めにコミュニケーションの話をしました。IT会社なのになぜ国語の話をするのだろう?と思われたかも知れません。
我々の会社はコンピュータを取り扱う会社で、コンピュータは正確に指示しないと通常は正しい処理をしてくれないので、解釈のブレがないようにソフトウェアを作り込んでいきます。皆さんは今後、そういう仕事をすることになります。そういう仕事だから心配はいらない、ということではなく、機械相手だけでは仕事はできないわけで、仕事を完結するには、人間との関わりが必ず必要になり、かなりの時間をコンピュータに向かっているような仕事においても、コミュニケーションの大切さは非常に大きいと理解しておきましょう。
今日は、仕事をする上で非常に重要な「コミュニケーション」に絞って話をしました。一度に多くの項目をお話ししてもなかなか記憶には残りにくいので絞ったわけです。
これから長い社会人人生の初日に、私が皆さんにお伝えしたかったことは、コミュニケーションには言葉が重要で、その中身、つまり解釈が相手と共有できることが大切ですよ、ということです。
では、今日から始まる新入社員研修で皆さんが一回りも二回りも成長してくださることを期待して、私のお祝いの言葉を締めくくります。
(第1話おわり)