【社長ブログ】少し寄り道をして「ら抜き言葉」の話へとスイッチ
JOPS社長ブログ
cooperated by several associates
第12話 NHKニュースを起点にした ”Chat-OJT”
第2回 少し寄り道をして「ら抜き言葉」の話へとスイッチ
前回は、「NHKニュースで取り上げられていた百日咳の話題を調べ、社内掲示してみては?」との提案を、総務部門のメンバーが参加するチャットに投稿したことをお話ししました。
私は、この提案には前向きに取り組んでもらえるだろうと思っていました。というのも、総務部門の中には、「赤ちゃんにきょうだいがいる家庭」に当てはまるスタッフがいるからです。
チャットを発信して間もなく、驚いた顔のリアクションマークが表示されたので、「あとはお任せかな」とも思いましたが、テロップの中に「生後2か月から受けられる」という表記があったので、「これで終わらせてしまうと、このネタが社内掲示を担当する1・2名のスタッフにしか活かされない。宝の持ち腐れだ」と思ってチャットを続けました。
皆様
ついでに国語のレッスンです。下記にご注目ください。
生後2か月から受けられる
これが一般の話し言葉だと「受けれる」と話す人が大部分です。
しかし、放送局は「ら抜き言葉」に厳格で、テロップ(字幕)などでは「受けられる」に直します。
しかも、徹底的に直します。
大リーグの日本人スーパースター選手が「投げれる」と言っても「投げられる」と修正します。
私は某ローカルTV局の番組審議会委員を3年務めましたが、「ら抜き言葉」についてはテロップでは厳格に修正している、と聞きました。
では、ここで問題です。
「知れる」は正しいのです。
私はこの文法的ルールを高校の時の参考書に記載されていたコラムの記述で知りました。
今なら、ネット検索で簡単に調べられる(調べれる、ではありません)と思います。
こういうことを知っている、知っていない、の差で、将来の貴方の輝きが違ってくることはありうることです。
と、チャットを続け、総務メンバーの注意を引いてみたところ、百日咳について調べ始めたスタッフとは別のスタッフから、
同じパターンで、
「取れる」は正しい(確信あり)
「来れる」は・・・ら抜き言葉???(確信なし)
でしょうか
ただ、これらの形の場合は「知れる」も含め、
「〇ることができる」と表現されることの方が多い印象があります
とのリアクションがありました。関心を持ってくれているスタッフがいたことを喜び、次のように私見を述べました。
「取れる」は正しいです。
「来れる」は少々難しいですね。
AさんがBさんに対して、Aさんのところに移動できるか、ということを尋ねる場合、Aさんからの質問としては、例えば「こっちへ来られる?」が正しいと思います。
ただ、この時Bさんの返答がややこしく、「そっちへ来られるよ」と返答するのはあまり良いとは言えません。
というのは、ら抜き言葉の観点でなく、動詞そのものの使い方としての問題で、「そっちへ行けるよ」と言うのが正しいと思います。
また、「〇ることができる」と表現されることの方が多い印象がある、とのご意見には私も賛成で、私自身もしばしば使います。
「可能」、「受身」、「自発」などと習ったことを覚えている人は多いと思いますが、それらを文脈で区別することが簡単ではない場合があり、「可能」の意味であることを明確にしたい場合には「〇ることができる」が最適だと思います。
昼休憩をはさんでそういうチャットのやりとりをしているうちに、「百日咳」に関する注意喚起の全社掲示が行われました。
(第3回に続く)