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JOPS社長ブログ 2025.11.13

【社長ブログ】紙の教科書からデジタル利用やAI活用への変化

JOPS社長ブログ

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第13話 AIやIT技術に頼ると人間は馬鹿になるのか?

このシリーズ過去の記事

  • 第1回 ワールドシリーズ、日本シリーズが第7戦までもつれ込む「確率」
  • 第2回 決着がつくのが第4、5、6、7戦、どの確率が一番高いか?
  • 第3回 ワールドシリーズの決着試合数別の確率……AIの回答は?

第4回 紙の教科書からデジタル利用やAI活用への変化

 
10月7日のNHKニュースを見ていたところ、タブレットやスマホで学習する小・中学生の間で、肩こりや首の痛みに悩む例が多発している、との報道がありました。そこまで来たか、という感じです。
 
私は1年ほど前に業界団体のイベントで、デジタル化を推進する官公庁系の専門家と話す機会がありました。年齢的には40代半ばとお見受けしたので、「デジタルやペーパレスで高校生たちの思考力を養えるのでしょうか。私は、受験時代には数学が好きでしたけれど、紙と鉛筆がなかったら、どういうふうに勉強できるのか想像できません。文系科目でも、テキストに書き込みをしないで身につくのか、と思ってしまいます」と尋ねてみました。デジタル推進者であっても、年齢的に類似の体験をしていらっしゃっただろうと思い、本音のところでは共感されるだろうと期待していたのです。

 

ところが、あっさりと「そういう考え方ではいけないのです。過去の延長線で考えてはだめなのです。デジタルで育った若者たちには違った思考方法ができていくので」・・・というような意外なご返答でした。結局、途中で他の聴衆に割り込まれてしまい、十分な会話はできませんでした。
 
その後、家で電気工学を独学で学んだ時のテキストを引っ張り出してみたところ、添付のように、行間に書き込んだり、解説図に色塗りをしたりした跡が残っていました。(第6話第3回でもよく似た添付をしましたが、しつこくてすみません)「こういう努力をせずに理解できるものだろうか?自分で計算したり、図面を描いたりできるようになるのだろうか?」少なくとも現在30代半ば以上の年齢の人たちなら、それほど感覚は違わないだろうと思いました。

電気工学を独学で学んだ時のテキスト

電気工学を独学で学んだ時のテキスト

 
技術的変化の観点で類推できるとすれば、私が大学に入学した1970年代半ばにも大きな変化がありました。関数電卓の登場により、sin、cos、log などがボタン操作で簡単に計算できるようになって、「三角関数表」 や「対数表」が過去の遺物になりつつあったのです。確かに、sin 39°やcos 57°の計算が簡単にできるようになったことは大きな変化です。とは言え、数式を展開したり因数分解したりする計算の重要性は変わらず、まして自分で物理法則等をもとに立式して、解を導くやり方に変化があったわけでもなく、学校教育の主要部分は変わりませんでした。さすがに、オイラーの時代にまで遡ると、微分方程式を解くために、摂動法と称される小刻みな計算を紙に繰り返し書いて解いていたわけで、そのころと対比すれば、立式してプログラムを作れば、オイラーが年単位を費やして計算していた内容を秒レベルで計算できるので、教育の姿も変わったと思います。それでも、デジタルのキー叩きやスマホ画面のタップアンドスワイプだけでは、高校レベルの数学でさえも身につくとは到底思えません。
 
しかし、活版印刷による印刷革命の前後を比較するとどうでしょうか?それまで、知識が書物に著されても、それを書写しなければ、知識の伝達は不可能でした。そして、書写の作業が知識の蓄積・拡大・普及に重要な役割を果たしていた時代は、この印刷革命により大きく変化したわけです。生成AIの登場はそれに匹敵するのかもしれません。今のところは人間がチェックしなければならない水準ですが、そう遠くない時期に、チェックの必要性が激減するであろうことは予想できますし、現状でも、全分野平均的には一般人をはるかに上回っているわけです。

 
ただ、デジタルもAIもまだ発展途上なので、それに合わせた対応が必要だと思います。以前も述べましたが、自分の得意分野に関してAIに質問をしてみて、それなりに納得できる答えを得られるかが、わかりやすい判定方法だと思います。その結果が不十分であれば、自分の不得意分野でAIの回答をうのみにするのは禁物です。正確性を確保するために他種のAI、または一般のネット検索結果を併用することが大切だと思います。そして、小中高校生にデジタル教材だけを与える、というやり方は、既にフィンランドなど他国で反動が出ていると報道されていますし、少なくとも現状では控えたほうが良いように思います。

 

私の高校時代の学習雑誌に、通称「トラの巻」と言われる「教科書に完全準拠した参考書」を使うか否か、という話題が載っていたことを思い出します。結論として、限られた時間内で勉強をするのが大変であれば、自分の得意不得意に合わせて、辞書や参考書を調べる時間を節約するために「トラの巻」を使う手もあるだろう、という趣旨が述べられ、面白い挿絵が描いてありました。ムチを持って虎を操るサーカス芸人の絵で、「トラも使いようだね」とコメントがしてありました。
 

「デジタルやAIも使いようだね」と考えれば、人の知恵は発達し続けると思います。

 

(第13話 おわり)

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