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デジタルスキル習得セミナー
電気事業に関連する科学技術・経済・政策の研究開発を行う研究機関である一般財団法人電力中央研究所様に向け、DX推進の支援としてデジタルスキル習得のセミナーを実施いたしました。セミナーを行うに至った背景や今後の展望をお伺いしましたのでご紹介します。
クライアント情報
- クライアント:一般財団法人電力中央研究所様
- グリッドイノベーション研究本部
- ENIC研究部門 研究部門長
- 研究参事 博士(工学) 堤 富士雄 様
- 研究統括室 スタッフ
- 毛内 志歩 様
- ENIC研究部門 研究部門長
- グリッドイノベーション研究本部
- エリア:東京
- プロジェクト期間 :2ヶ月(120分 x 3回)
課題
- 基礎的なデジタルスキルを所内に広く浸透させたい
- IT企業のノウハウや共通の悩みも含めた内容でセミナーを実施したい
効果
- Excel等を使ったデータ集計作業での効率化の兆しが見えてきた
- 所員がデジタルスキルに対して積極的な姿勢に変わってきた
【背景】幅広いレベルに対応したデジタルスキル習得に向けて
当社に依頼した経緯を教えて下さい。
堤様:所内のDXを進める上でAI技術やBIツールの活用も大事ですが、そういった高レベルのものだけではなくて、基礎的なデジタル技術の拡充にポイントを置くことの重要性もあると考え、役員の同意を得ていました。
この戦略を実現するために所内のデジタルスキル標準を策定しました。これは、レベル1のデジタル習慣を身につけるものから、レベル6のBIによる経営戦略の策定まで幅広く対応できるものです。

電力中央研究所 堤富士雄様
これまでも、所内では「仕事のデジタル化」という動画コンテンツを複数公開し、日程調整の予定表活用やメールからチャットへの移行など、基礎的なデジタル知識をまとめる活動も行っていました。
今回は、レベル1、レベル2に該当する内容をあえて「外部の」企業がセミナーとして開催することで、一般論も含めて説明してもらえるため説得力が増すと考えました。
【導入内容】「今さら聞けない」内容を含めた参加しやすいセミナーに
実際のセミナーの内容はどのように決めたのでしょうか
堤様:デジタルスキル標準をもとにして、受講者が入りやすい導入として難易度の低いものから高いものになるよう、3回のセミナーを企画しました。
特に表計算ツールでのデータの扱いについては、学生時代に学んだデータの正規化の大切さを思い出し、ぜひとも所員に伝えたいという思いが強いものでした。
・ウェビナー形式で実施
・1回あたり参加人数は約100名程度
・全3回、1回あたり120分【実施内容】
・①デジタルコミュニケーション戦略:オンライン会議とは
・②コラボレーティブな共同作業:ファイルの共同編集のメリットと共有方法
・③ネ申エクセルを作らない:データの正規化とピボットテーブル・PowerQueryの演習
実際のセミナーの印象はいかがでしたか
堤様:オンライン会議のセミナーについては、アンケートの結果でも「多くの機能は知っていたが、知らないこともあった」という意見が多く、各参加者のまだらだった知識が統一できたかなと思います。あえて、セミナーをこういった簡単な内容から始めたのは良かったと思っています。

電力中央研究所 毛内志歩様
毛内様:所内で告知する際、「今さら聞けない」というタイトルにしたのも良かったかもしれません(笑い)
セミナー内では、オンライン会議中のリアクションを呼びかけましたが、多くの参加者が「いいね」や「拍手」等リアクションしてくれていました。これを見たときは開催してよかったと感じました。
堤様:SharePointやOneDriveでのファイル共有のセミナーは、参加者が権限・セキュリティについて意識するきっかけになったと思いますね。
毛内様:そうですね。権限についてはこれまで「なんとなく」気をつけている、という参加者も居たかと思いますが、意識が高まったと思います。
堤様:PowerQueryのセミナーは少し難しく、「録画を見直したい」という意見もありましたが、この辺は想定内です。PowerQueryの講座は別途開催しても良いかもしれません。
(※セミナーはすべて録画していたので当日参加できなかった方も含めて、あとから見直すことが可能です)
毛内様:はい、参加者によっては難しいと感じた人も居たようです。ただ、大事なのはPowerQueryを今すぐ使うことがなくても、今後に向けて「以前聞いたことがある」という経験を身に着けた事だと思います。
堤様:そう、アレルギーをなくすという意味でも、開催してよかったと思います。
【効果】所員の意識が徐々に変わってきたことを実感
セミナー後、参加者の皆様には変化はありましたでしょうか
堤様:特段変化はないと思っていましたが、改めて思い返すと、データ入力・集計業務などで私が所員に説明した際、所員の「知っている感」が強まりました。一人で頑張るのではなく、セミナーを皆で受講したので皆でやってみよう、という気持ちになっていると思います。
毛内様:他にも、ITレベルの高い所員が作成したPowerAppsについて、これまでは作った人以外は、”自分には口を出せない”、という雰囲気もありましたが、最近は色々な人がPowerAppsのツールに対して意見をだすようになり、基礎的なデジタルスキルに対する考え方が根付いてきたと感じることが多いです。
堤様:人の気持ちはすぐには変わりませんが、色々なきっかけで少しずつ代わっていくのだと思いますね。
【展望】さらなるデジタルスキルの普及に向けたポイントは
今後の展望などあれば教えてください。

(左から)電力中央研究所 毛内志歩様、堤富士雄様
毛内様:もっと難しいセミナーも必要だと思いますが、今回は、自分から変わろうという意識が強い人が参加したと思います。参加できなかった人を動かすにはどうしたら良いのだろう、と考えています。
堤様:私は、IPAの登さんの言葉が気になっています。彼の言う、実質的技術的決定権者をターゲットにしたデジタルスキルの普及、という考え方です。
実質的な技術責任者というのは、ギークとして新しい技術を取り入れることに精神的な負担がない人、かつ、プロモーターとして組織を後押しして調整する人だそうです。
我々においても、例え両方兼ね備えた人が居なくても、ギーク役の人とは別にプロモーターの役目を毛内さんにお願いして、二人でデジタルスキルの普及を推進するのも良い、と思っています。
そういう体制で、「新しい事をやっても良いんだよ」、という環境を作ることで、組織が必ず良い方向に行くと思っています。
毛内様:私は今回のセミナーを主催したことで、所内の他拠点の方から「オンライセミナーで会いましたよね」と声をかけてもらうことが増えました(笑い)。コロナ禍中の入所だったので、思いがけず色々な所員と顔見知りになれたのも嬉しかったですね。
堤様:これを機に、所内で今回のフォローアップセミナーを若手で開催するのも良いかもしれませんね。
— 本日はありがとうございました。
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