【社長ブログ】「関連会社」という言葉をどういう意味で使っていますか?
JOPS社長ブログ
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第7話 あなたの評価を下げない「ビジネス用語の使い方」
第1回「関連会社」をどういう意味で使っていますか?
以前のブログで Award は「アワード」ではなく「アウォード」とカタカナ表記をするのが適切であると書きました。
その時に書きましたように新聞など各種メディアではほとんどが「アワード」で、Jリーグなど一部だけが「アウォード」と表記している状況ではあります。もはやカタカナ表記の適切さを話題に出すのは止め、と割り切ったほうがよいのかもしれません。
ただ、最近の何かの記事で「ドジャーズ、タイガーズが正しい読み方・・・有声音で終わる単語の後は[s]ではなく[z]と発音・・・」と書いてあり、「あ、こういう話題もメディアに出るのだなぁ」と思ったりもしています。
私が中学生だった50年以上前、「百万人の英語」など正統派の英語教材には「和製英語」の誤りを正す記事が結構出ていました。例えば、野球の「ホームラン」は homer 、「ナイター」は night game 、という具合です。
しかし、それらは現在では、大リーグのオールスターで「 Home Run Derby 」と出てきますし、Nighter も通用するようです。これが言語(言葉)のダイナミズムなのでしょう。
その昔、金貨や銀貨でさえ、金・銀の比率を定められた比率より下げたものが流通し始めると「悪貨は良貨を駆逐する」現象が現われた、と歴史は教えます。どうしても本来の「正しい」ものが「使いやすい」、「多数が使っている」ものに取って代わられるのだと思われます。
前置きが長くなりました。ビジネスの世界の言葉でもダイナミズムはあるかも知れませんが、できれば正しい定義を知っているに越したことはありません。
会議の席上、顧客対応など、場はいろいろとあっても基本用語の誤った使い方をしていると「基本を知らない人」の烙印を押されかねません。実社会では誤った使い方をしても大部分はスルーされ、正しい使い方を教えてもらえません。誤解を招かないように、基本を知らない人だと思われないようにしたいと、私自身も注意はしていますが、時々誤った表現をすることは事実です。To err is human, to forgive divine. (過つは人の性、許すは神の心)を期待したいのですが、言い訳をせずに知識を増やし、正確な用語を使うように努めたいと思っています。
そこで、若い皆さんのために、これまで私が経験してきた、よく誤用されるビジネス用語をいくつか紹介したいと思います。
まず、「関連会社」です。これはしばしば皆さんも耳にされていると思いますが、「関連」も「会社」も頻繁に使われている言葉なので、なんとなく使われているのが実態ではないでしょうか。しかし、グループ経営や会社間の関係性で述べられている際には、定義がありますので、正しく使う必要があります。
例を挙げますと、「子会社」とするべきなのに「関連会社」としている例が時々見受けられます。そういう場合、聞き手や読者に「資本関係があるけれど、子会社ほど強くないのだな」と誤解されます。そして聞き手が「念のためその会社の Website で確認してみるか」と思って調べてみて実は強い資本関係があったら「あの話し手や著者は子会社と関連会社の区別もつかないのか」となるわけです。このブログで定義を詳しく書くのは控えますが、確認したい人は、信頼できるサイトで調べてみてください。
私の過去の経験では、ある会社のトップ級が、公の席で、別会社のことを誤って「当社の関連会社」と述べてしまったために、事務方が後処理に苦労したという話を聞いたこともあります。
会社の関係性を述べたいのだが、出資比率の記憶が明確でない場合には「関係会社」と言うのが無難です。と言うのも「関係会社」は「親会社」、「子会社」、「関連会社」を合わせた意味を持つ便利な言葉だからです。
(第2回に続きます)