【社長ブログ】博士号の先生方がここまでやって下さるの?
JOPS社長ブログ
cooperated by several associates
第3話 実現した「食と栄養」セミナー・・・「You are what you eat.」再登場 (3回連載)
第3回 博士号の先生方がここまでやって下さるの?
さて、「食と健康に関するセミナー」はその後、関心表明を出してくださった両方の大学に研修をして頂くことにしました。先生のご意見では、受講する社員を年齢別に分けるほうがより効果のある研修にできるとのことで、JOPS としても健康経営につながる施策は単発ではなく継続的であるほうがよいと判断したからです。また、両大学で都合の良い時期に違いがあったという理由もあって、2 月末には公立小松大学の先生に主として 20 代から40 代社員を主な対象とした内容、夏休みには J 大学の先生に中高年の社員を対象とした内容ということで実施することにしました。
最初に実施する小松大では 2 名の先生方が栄養に関する基礎知識と調理実習をミックスさせるというユニークな研修を提案されました。ところが、火災予防など安全上の問題から調理実習が可能な場所を当社フロアで確保することが難しく、せっかくの調理実習案は実現困難だという検討報告が届きました。そこで私は、「せっかくの提案を生かせないのは残念だ。しかし先生がそういう提案をされたということは我々が小松へ行けばよいのではないか?もともと全社員を一堂に集める予定ではなく、リモートと録画で対応する予定だったのだから、小松へ数名の社員が行き、そこからオンライン配信と録画で対応すれば、こちらの出張の手間は増えるが、講演をしてくださる先生方は、場所が地元になり講義をしやすいのではないか」と修正案を出して、計画の方向性が決まりました。
JOPS 総務担当は移動の手間が増えましたが、当日は調理実習を生で見ることができ、しかも試食もできるという役得を得ることができたので、きっと満足だったのではないかと思います。え?社長はどうしたのかというご質問ですか?私は当日、前半の講義は現地会場で受講しましたが、調理実習は残念ながら別件があり中座(後日録画で見させて頂きました)して試食ができず、悔しい思いをしました。(笑)
両先生のプロフィールは大学のウェブサイトで公開されており、それぞれ保健学や健康科学など専門性の高い研究実績をお持ちの博士でいらっしゃいます。そういう先生方が今回のような身近なテーマで、親しみやすく、わかりやすい講義をしてくださることは本当に驚きでした。研究と教育が大学の「車の両輪」であるということは先に述べましたが、ウェブサイトでは研究中心の記述なので、教育において今回のような側面を見せてくださることはなかなか思い浮かべることはできません。専門的な教育内容から一般人にもわかりやすい内容を抽出して頂き、「野菜の 1 日あたりの必要量は 350g、切り落とす分を考慮して素材で 385g、両手の手のひらに乗るくらいの分量です」など、記憶に残りやすいように工夫された説明をして頂きました。

セミナーの様子
先に述べた私と一般社員とのランチミーティングでは、食生活に無頓着な社員が半数近くいたという印象でした。私は「You are what you eat. 食生活は大切だ」と唱えながらも「毎日同じ物を食べずに、最低でも曜日ごとに異なるメニューを心がけ、野菜をとるようにする」程度しか言えなかったのですが、このセミナーの開催で少しは経営者としての責任を遂行できたと思いました。そういう私の思いを先生は尊重してくださったようで、セミナーのレジュメの冒頭に「You are what you eat.」が書かれているのを見て、私はとても感激しました。
受講者は当日で 58 名、録画視聴が 103 名、受講後アンケートの回答者は 111 名という結果で、第 1 回の健康経営関連セミナーは成功裏に終わりました。その後 JOPS 社内では、野菜の「1 日 385g」を確保するために、会社での昼食用に共同で調達しようか、という動きも出始めています。このような展開につながっていくことはOcket のすぐれた特長、つまり産学連携が身近になり、雲の上の存在だと思っていた大学の先生方が自分たちに語りかけてくれる、という効果が現れたのだと思います。
(第3話おわり)