【社長ブログ】HOKURIKU Innovation Summitでのパネリスト参加
JOPS社長ブログ
cooperated by several associates
第10話 Ocket再々登場
第1回 HOKURIKU Innovation Summitでのパネリスト参加
5月23日から7月11日にかけてのブログで産学連携クロスオーバーシステムOcketに関する話を連載しました。例年、秋から初冬にかけて産学連携のイベントが多数開催され、JOPSのOcket関係者は精力的に動きます。そんな中、12月10日に金沢で開催された「HOKURIKU Innovation Summit」という北陸産業活性化センターと株式会社RICHの共催によるイベントに私はOcketを題材にパネリストの1人として参加しました。
基調講演は東京大学名誉教授の中尾政之先生、パネルディスカッションでは中尾先生に加えて、モデレーターとして株式会社RICHの井熊代表取締役、他パネリストに会宝産業株式会社の近藤社長、アイディッシュ株式会社の下村社長、アルム株式会社の平山代表取締役、そして私、というメンバーでした。
中尾先生は畑村洋太郎先生の流れをくむ失敗学の権威で、「リスクもチャンスも違和感を起点に始まる」と題して話をされました。内容的には(私にとっては恒例なのですが)かなりついていくのが困難で、「AIに餌をやるのが人間の仕事」、「材料力学の小テストはChatGPTで十分やれるので先生の仕事が減少」「違和感を自覚してアイディアノートに書き留める」「架空の話も大切」などが印象に残りましたが、一番驚いたのは「スペースシャトルの爆発事故は通常言われている『Oリングが低温のために密封性が悪くなって液体燃料が漏れ始め着火・爆発』、というのは誤りで、実は低温であろうが高温であろうが問題を秘めており、低温での打ち上げが原因というのは、一般的に言われている説の一つに過ぎない」との話でした。元・宇宙ロケットファンの私としてはキツネにつままれたような感覚で聞いておりました。
それはさておき、上述の各社社長がそれぞれの分野のイノベーションで急成長を遂げている中で、私もパネリストの一人として名を連ねるのは、それこそ「違和感」がありました。しかし、産学連携にシステムを安価で提供しながらも普及に苦労しているJOPSに、少し刺激を与えてさらに努力をさせようという何らかの力が働いたのではないかと私は解釈しています。「電力の役員を経験後に、その後新たな会社に入って新事業を立ち上げて苦労をしている」と予め紹介の口上を伝えられたので、それに応えるべく、次の2枚のスライドを用意しておきました。このスライドには本ブログ2024.05.30で紹介した架空事例集の話が含まれており、これを説明する際、先の中尾先生の基調講演にあった「架空の話も大切」を引き合いに出せる、と密かに思いました。

北陸イノベーションサミット スライド1

北陸イノベーションサミット スライド2
さて、基調講演後、3人の主・パネリストの発表があり、アルム殿の「NC(数値制御)工作機械へのデータ入力時間を桁違いに短縮できるAI活用ソフトウェアを急速に普及中」、会宝産業殿の「国内100社と世界90か国との取引実績を持つ自動車リサイクルのオークションシステム」、アイディッシュ殿の「一人一人のトレイに置かれた皿の中で素材から調理する次世代の食事提供システムにより、高齢者に出来立ての食事を3000メニュー提供」、という発表が順次出てきて、私は基調講演のテーマにもあった「違和感」に襲われてきました。しかも、彼らのプレゼンが非常に洗練されており、まるでプロの話し手がしゃべっているような印象を受け、「むむ、これは自分の番で彼らのようにうまくやれるだろうか、と心配になるのを禁じえませんでした。
(第2回に続きます)